仕事に伴う論文 論文5『リーダー論』

論文5『リーダー論』

 

中小企業診断士 本多 喜悦

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1.はじめに

 最近、商法違反等で不祥事が発覚した日本企業のトップの発言を聞くと、これでもリーダーなのかということに驚かされる。

たとえば、「上層部の関与はなかった。」、「知らされていなかった。」、「自分は知らなかった。」などである。このような発言はあたかも「自分は知らなかったので責任はない。」といっているのに等しく、さらに言外に「部下がやったことなのでこのようになったのは、自分は被害者である。」という意味のことに感じるのである。

 「組織に頂点に立つリーダーが何故このような発言ができるのか?」というのが私の率直な疑問である。言わば、リーダーとしての責任の欠如という理解をせざるを得ないのである。

 大胆な推測をすると、現在の日本の政治、経済に漂う不信感や不透明感はリーダーのリーダーたる仕事をしていないのが根底にあると思う。また、換言すれば個人の能力や意識が高まっている今日、リーダーがリーダーたる仕事をすれば、この状況を打開できると思っているのである。

 本論は、このような認識に基づきリーダーの本質にアプローチする手がかりとして述べたものである。

 

第一部 基礎編

2.リーダーは何故必要か?

 リーダーは組織目的を達成するために必要とされる。なぜなら、組織目的と個人目的は違っているので、その調整機能が必要だからである。ちなみに、近代組織論の祖といわれるC.I.バーナードは「組織とは二人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力の体系」(注1)と定義づけている。勿論、組織には階層があるので、その階層の立場によってリーダーの仕事は変わってくるが、この調整機能を果たさないのは基本的にはリーダーではない。

 

3.リーダーシップとは

 よく聞く言葉だが、ここでじっくり考えてみたい。広辞苑によると、リーダーシップとは1.指導者たる地位または任務

2.指導者としての資質、能力、力量、統率力

とある。

 私の定義では、「リーダーシップとは組織目的達成のために、組織構成員の相互依存関係を保ちながら、構成員の能力発揮ができるように意識的に行う一連の行為」であると思っている。

 この認識で以下にリーダーの仕事について述べる。

 

4.リーダーの仕事

リーダーの仕事は3つの領域である。

1.組織目的の決定・周知

2.組織構成員同士の感情相互交流の向上

3.構成員の能力発揮の支援

 

5.「資質」ということについて

 「仕事」という理性的客観的領域のほかに「資質」と言われるものがある。「資質」とは「生まれつきの性質や才能。天性。」(広辞苑)とある。これは、育った環境や生まれつきのもであり、どうしてもリーダー個人では如何ともし難いものである。そういう領域がリーダーを語るときにどうしても避けて通れないのである。前出のバーナードも、「・・・一般能力(資質のこと)は、全般的な経験を経て成長した天性に依存するから評価は比較的困難である。それに対しては直接に教え込むことはできない。」と言っている。

 しかし、私個人としては、そのリーダーの努力で多くの部分を克服できると思っている。

 

6.リーダーの型

 よく言われるように3つの型がある。

1.専制的要素を多く含んだリーダー

2.民主的要素を多く含んだリーダー

3.1と2の折衷型リーダー

 

これはその組織の目的や構成員の能力や問題意識の違いによって使い分けなければならない。つまり、T.P.O.で使い分けなければならないということである。

 

第ニ部 応用編

7.応用編

事例研究

(1)A社 伝統的(家族的)組織から近代的(共通ルールによる)組織へ転換するときに発生する組織内摩擦

(2)B社 個人目的と組織目的のギャップによる組織メンバーの悩み

(3)C社 官僚的組織における個人人格の揺らぎ

(4)D社 中途入社員の組織文化の違いによる悩み 以上は、個人と組織の問題に見えるが、実は組織内のリーダーのとるべく言動で大きく左右されるので、実はリーダーの問題であるので事例研究として載せた。